VFD管でLoRaWAN水位センサーの値を表示!レトロフィット IoT の新しい形

VFD管でLoRaWAN水位センサーの値を表示!レトロフィット IoT の新しい形

VFD管でLoRaWAN水位センサーの値を表示!レトロフィット IoT の新しい形

はじめに

先日、貴重な機会をいただき、北の大地のとある場所で、水資源のモニタリングを行うために、LoRaWAN 機器類を設置してきました。詳細はどこかの機会でぜひ公開したい素晴らしいプロジェクトです。


アナログセンサー設置外観
アナログセンサーと投げ込み式水位センサーを使った設置外観

現在、インターネットを介して、Web ダッシュボードでデータを可視化しています。しかし、データをただデジタルに表示するだけでは物足りない。何か面白いことはできないだろうか?

今回も、以前のブログと同様に、アナログ機材を使ったレトロフィット IoT の実験をしてみたので紹介したいと思います。


DG12B VFD 用 NTP 時計キットとの出会い

今回用いるレトロフィット機器は、kohacraft さんDG12B VFD 用 NTP 時計キットです。

VFD(蛍光表示管)の魅力

このキットで使われている VFD は、VFD を発明した伊勢電子が製造したという DG12B というものです。フォントが非常に特徴的で、レトロフィット IoT にはドンピシャな機器です。

info   Info
DG12B VFD の特徴
- 伊勢電子製の蛍光表示管
- 独特のレトロなフォント
- 青緑色の柔らかな発光

VFD キット(組み立て後)外観
キットを組み立てて電源を入れた状態

ESP32 ベースのキット

このキットの MCU は ESP32。つまり、ファームウェアを書き換えることで、様々な用途に活用できます。今回は、北の大地に設置した距離センサーの値を、DG12B を使って表示してみることにしました。


北の大地に設置した LoRaWAN 距離センサー

設置した機器

今回のプロジェクトで設置した距離センサーは、Dragino DDS75-LBです。

info   Info
DDS75-LB の特徴
- LoRaWAN 対応の超音波距離センサー
- 測定範囲:280mm ~ 7500mm
- 防水設計(IP66)
- バッテリー駆動で長期運用可能

専用架台での設置

距離センサーは、専用架台を作って設置しています。現場設置にはこういうものが必須になってきますね。

距離センサー設置外観
北の大地に設置してきた距離センサーの設置外観

システム構成

今回実装したシステムの全体像は以下の通りです。

[北の大地] 距離センサー (DDS75-LB)
    ↓ LoRaWAN通信
LoRaWANゲートウェイ
    ↓
The Things Stack (LoRaWANサーバー)
    ↓ MQTT
[オフィス] ESP32 (DG12B VFD制御)
    ↓
VFD表示器 (DG12B)

オフィスに設置した ESP32 搭載の VFD 表示器が、MQTT でデータをサブスクライブします。そのデータから距離データだけを取り出して DG12B に表示します。


ファームウェアカスタマイズの挑戦

ピンアサインの壁

kohacraft さんのブログ記事だけではピンアサインの詳細がわからず、ファーム開発で苦戦しました。VFD の制御には複数のピンを使用するため、正確なピン配置情報が必要不可欠です。

kohacraft さんのご協力

そこで、kohacraft さんに連絡し、kohacraft さんのご協力とご快諾を得て、オリジナルのファームウェアを参考に、今回用にカスタマイズができました。

改めて、kohacraft さんに心より感謝申し上げます。


動作の様子

実際の動作では、以下のような流れでデータが表示されます。

  1. 北の大地の距離センサーが水位を測定
  2. LoRaWAN 経由でデータが送信される
  3. The Things Stack でデータを受信
  4. ESP32 が MQTT でデータを取得
  5. DG12B VFD に距離データを表示

VFD表示器
距離センサーの値を表示した状態

数百キロ離れた場所のデータが、レトロな VFD 管に表示される。このデジタルとアナログの融合が、レトロフィット IoT の醍醐味です。

※不朽の名作の(今となっては)レトロなレンズで撮影したものです。


レトロフィット IoT の可能性

デジタルとアナログの融合

最新の IoT センサー技術と、半世紀以上の歴史を持つ VFD 表示器を組み合わせることで、新しい価値が生まれます。

check_circle   Tips
レトロフィット IoT のメリット:
- 視覚的なインパクトと親しみやすさ
- 既存の技術資産を活用できる
- デジタルデータに「温かみ」を与える
- ディスプレイ疲れを軽減する柔らかな発光

他の応用例

このような VFD 表示器は、様々な IoT データの可視化に活用できます。

  • 工場の生産数カウンター:レトロな雰囲気で現場を演出
  • 環境センサーデータ:温度、湿度、CO2 濃度など
  • 在庫管理:倉庫の在庫数をリアルタイム表示
  • 来客カウンター:店舗やイベントの来場者数
  • エネルギー管理:電力消費量や太陽光発電量

まとめ

今回は、kohacraft さんの DG12B VFD 用 NTP 時計キットをカスタマイズし、北の大地に設置した LoRaWAN 距離センサーのデータを表示する実験に成功しました。

check_circle   Tips
本プロジェクトのポイント:
- ESP32 ベースのキットでカスタマイズが容易
- LoRaWAN の長距離通信で遠隔地のデータを取得
- 伊勢電子製 DG12B の特徴的なフォントが魅力的
- kohacraft さんのご協力で実現できた
- デジタルとアナログの融合の新しい形

改めて、kohacraft さんへの謝辞を述べたいと思います。オリジナルファームウェアの参照を快諾いただき、また技術的なアドバイスもいただけたことで、このプロジェクトを実現できました。

こういうデバイスを使って、デジタルとアナログを融合したレトロフィット IoT も素敵だなぁと、改めて感じました。最新技術と懐かしい技術を組み合わせることで、機能的でありながら、心に残るシステムが生まれます。

今後も、このような「温故知新」の精神で、IoT の可能性を追求していきたいと思います。


参考情報

本記事で紹介したセンサーは、当社 EC サイトでもお買い求めいただけます。また、レトロフィット IoT システムの構築支援も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。