リフト券と技術と地球環境

リフト券と技術と地球環境

リフト券と技術と地球環境

(遅ればせながら)新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

2022 年年明け早々、地球環境を憂いながら、技術について考える出来事がありました。 今回は、スキー場におけるリフト券からみる技術と地球環境についてです。

残念ながら、私はウィンタースポーツができません。なので、ウィンタースポーツ自体を楽しむのではなく、子供たちが楽しそうにウィンタースポーツをしているのを見るのが、私の楽しみです。

ふと、子供たちのウェアをチェックしていたら、数年前のリフト券が出てきました。私の幼少時代の記憶では、リフト券は”ただの紙”。所定の内容が印字された紙を係員がチェックする、ただそれだけでした。しかし、今は違うのですね。リフト券の表面に印字があるものの、実態としては非接触タグでした。

実は、昔々、13.56MHz 帯の非接触 IC を活用した技術開発に携わっておりました。ISO/IEC14443といえば、わかる人にはわかると思います。習慣化された思考というのは怖いもので、その研究開発テーマから離れた今も、どうも非接触 IC 関係のものを見ると、色々気になってしまうのです。


1. リフト券分解の図

数年前のリフト券ということで、勝手にお許しをいただいて、リフト券の中を覗いてみました。

リフト券の中身

案の定、プラスチック面の間にアンテナが巻いてあります(実際には印刷でしょうね)。交通系や金融系でみられるような高価な IC チップはもちろん見当たりません。いわゆる、非接触タグということがわかります。

1 日リフト券、場所によって価格が違うのでしょうが、2000 円〜4000 円程度でしょうか?このリフト券、返却が義務付けられておりませんので、使い捨て前提です。リフト券の価格に非接触タグのコストが内包されているはずですが、使い捨て前提で非接触タグが使えるというのは、すごい時代だなぁと、改めて感じます。


2. 非接触タグ化したことで解決していることとは?

先に述べた通り、昔々、リフト券はただの紙でした。

それが今は、よりコストのかかる非接触タグになっています。何がしかの課題を解決するために、この技術が活用されているのだと推察できます。容易に推察されることとして、以下のようなことがあるのではないでしょうか?

  • 紙リフト券の偽造・改ざん・複製の防止
  • 人的管理コストの低減化

2.1. 偽造・改ざん・複製の防止

金銭的な価値を持つ”モノ”を流通する場合、常に懸念しなければいけないことは「偽造・改ざん・複製」です。リフト券も同様のはず。リフトを利用するユーザが多くなればなるほど、その実態的被害リスクは高まり、それに伴う管理コストも増大するはずです。

紙リフト券用の台紙、紙リフト券用の印刷機・ツール類の投資より、非接触タグ化への投資コストは大幅に高くなるはずです。それをもってしても、偽造・改ざん・複製による実態的被害が大きければ、投資意欲は出てくるものではないでしょうか?


2.2. 人的管理コストの低減化

紙リフト券の場合、各リフトの乗車場所に、人の配置が求められます。紙リフト券面に印字された内容が、適切な内容であるか?を確認するためです。

このご時世、そのためだけに人を配置する余裕などどこにもないはずです。

各リフトの乗車場所に、非接触タグを読み取る装置、OK/NG を知らせる装置が必要になりますが、人を営業時間中にずっと張り付けることを考えれば、安い投資のはずです。

こんな思いが一致して、リフト券への非接触タグ技術の適用が進んでいったのだろうと想像します。


3. 一方で、やはり考えておくべきこと

上述の通り、リフト券の非接触タグ化は、非常に有効な技術活用だと思います。 が、一方で、ふと思ってしまうのです。

warning   Warning
プラスチックと金属が使い捨て

この期に及んでかもしれません。ペットボトル飲料を便利に使っている時代に何を言っているのよ?かもしれません。ただ、事実としては事実です。

4. ソリューションプロバイダとして

当社は、IoT、データサイエンス関連の技術をコアとして、お客様と一緒にソリューションを考え、実現させていただくことを生業としております。

よって、このようなテーマに出くわすと、もう少し地球環境にやさしい手立てがないものか?と思考実験をすることが”習慣”化されています。

非接触タグ運用と比較した場合、

  • 人的管理コストをそのままに
  • 偽造・改ざん・複製への対策を多少緩めに
  • でも、紙という資材で実現する

そんな”ソリューション”がないものか?

こんな思考実験を常日頃行い、時にお客様に提案し、それが時々採用されて、お仕事をさせていただく。

そんなことが大好きな方々と一人でも多く出会い、そしてその中から当社のメンバーになっていただける方が一人でも増える、そんな 2022 年にしていきたいと思います。