LoRaWAN®の有り難さ〜ダウンリンク

LoRaWAN®の有り難さ〜ダウンリンク

LoRaWAN®の有り難さ〜ダウンリンク

百聞は一見にしかず
習うより慣れよ

先人の教えというのは、含蓄があるものです。

技術屋の端くれとして、何かを始めるときに、関連する技術については一通り調べるという習慣が身についています。 LoRaWAN® についても同じで、LPWA Networking 関連の技術・ソリューションには一通り目を通して、LoRaWAN の特徴も理解して、実際に触り始めました。

机上で理解してはいるものの、やはり、いじってみて、そして課題を解決しようとして、初めて”身体で理解する”ことが多くありました。

今回は、アプリケーション屋からみた LoRaWAN の特徴・有り難さに触れてみたいと思います。

1. LoRaWAN は、プロトコルスタックである

LoRaWAN とは何か、今更ここで説明する必要はないかもしれません。ウェブ検索するとすぐに良質な解説が見つかります。

一言でいうと、LoRa Alliance® が策定している LPWA Networks 向けプロトコルスタックです。

なぜか、あまり市中の情報で強調されておりませんが、我々として強調したいのが、「プロトコルスタック」であるという点です。

要するに、IoT 的なアプリケーションを想定して相当に考慮されたプロトコルがすでに定義・実装されているのです。これは、他の LPWA Networking 技術と大きな違いであると思います。

2. 例えば、何が嬉しいのか?

IoT 的アプリケーションが必要な場面を想像してみてください。LPWAN の目指している世界観だと

  • 数年間、エッジノードは電池交換せずに駆動し続ける
  • 多くのエッジノードが分散し、点在して設置される
  • 運用中も、極力現場へ赴くことは想定しない

こんな要件が当たり前です。

河川の水位を監視するアプリケーションを想像してください。雨が降らない通常の運用では、データのアップリンク間隔は長いほうが電池の持ちは良くなります。デフォルトのアップリンク間隔を仮に 1 時間とします。ここで、天気予報により明日は周辺地域に大雨が降ることがわかるとします。この場合、1 時間に 1 回のアップリンクでは、河川の氾濫如何をリアルタイムで把握することは困難です。そんな時は、事前にアップリンク間隔を 1 分など短い間隔に変更しておきたいものです。

こんな背景で、もし 100 箇所の現場に水位センサーノードが設置されているとします。前日に、急いで 100 箇所回って設定を変えるのでしょうか?ありえない話です。


まず、遠隔から(Web ブラウザのダッシュボードみたいなものから)100 個のセンサーノードに一括で設定変更の指示を出すような仕組みが当然考えられます.

ところが、これは意外に大変です。アプリケーション屋の視点からすると、遠隔からアクセスできる API が用意され、API経由で設定変更できる状態が自然と思うはずです。しかし、例えば通信方式として LTE-M を採用した場合、それ自体にはアプリケーションレイヤの動作を変更する機能は内包されておらず、自分で開発しなければいけません。

また、LPWAN の世界では、「数年間、電池交換なしで、電池で駆動し続ける」ことが求められます。すなわち、エッジノードが常に電源 ON 状態ではなく、何らかの意味でsleep状態であり、そもそも遠隔から自由に通信できないという前提が存在する可能性もあります。


しかし、(前置きが長すぎましたが)LoRaWAN では、上位側からエンドノードにパケットを送るためのダウンリンク機能が実装されています。このダウンリンク機能を使って、「アップリンク間隔の値を変更する」という機能を実現可能です。そして、多くの LoRaWAN デバイスには、「ダウンリンクコマンドによるアップリンク間隔値の設定」機能が実装されています。

これにより、アプリケーション屋としては、LoRaWAN サーバを経由してダウンリンクコマンドを送るだけで、先程の河川水位の例に対応することができるわけです。

これは、本当に素敵なことです。(伝わりづらいのは、百も承知ですが。)

3. The Things Stack でのダウンリンクコマンドの設定

The Things Stack Community Edtion では、Web コンソール画面で、ダウンリンクコマンドを簡単に設定・実行することが可能です。

アプリケーション > エンドデバイス > メッセージ > ダウンリンク と辿り、ペイロード部分に実行したいコマンドを入力して、設定します。

TTS Console Downlink

エッジノード側が Class C で動いている場合、ほぼ即座にダウンリンクが実行されます。Class A の場合は、次回のアップリンクの直後に実行されます。

4. LPWAN Logger によるダウンリンク実行

今年の 7 月に当社が α リリースしたLPWAN Loggerですが、本日、 α リリース後初めて新機能を追加しました。まさに、本記事のテーマである、

edit   Note
LINE Bot で、ダウンリンクコマンド設定

という機能です。

これにより、デバイス毎という手間はあるものの、お手軽にダウンリンクコマンドの醍醐味を味わうことができます。

ぜひ、お気軽にご利用いただき、フィードバックをいただければと思います。